転職した会社で「放置」されてしまう理由と対処法

この記事は約8分で読めます。

「せっかく期待に胸を膨らませて転職したのに、放置されている…。」

「面接の時はあんなに口説かれたのに、実は期待されてなかったんじゃないか?」

「まだ味方もいないのに、どうやって仕事を進めていけばいいんだろう…」

転職をした際に、こんな風に思う人は少なくないのではないでしょうか。

安心してください。

著者の私もつい先日転職して、この「放置」という状況を味わいました。

しかしこの記事に記載していることを実施した結果、上手く会社に馴染めるようになり、しっかりと評価されています。

そんな私の経験を踏まえて、同じ「放置」されている人の役に立てばいいなと思い、この記事を執筆いたします。

とにかくこの記事を読むみなさんに伝えたいのは、あなただけが放置されているというわけではなく、どこの会社でも起こることであるということ。

自分のことを卑下する必要はまったくありませんので、安心してくださいね。

放置されてしまう理由

ではなぜ「放置されてしまう」という状況が生まれてしまうのでしょうか?

その理由は下記の通りです。

・構っている余裕が無いほど忙しい
・指導する人、面倒を見る人が不明瞭
・転職者は「一人前であること」が前提のため、指導しづらい
・「周りの人がなんとかするだろう」と牽制し合っている
・優秀なあなたに仕事を取られたくない
・あなたのことを知らないからどんな話題を振ったらいいかわからない
・自走することを期待されている

理由を一つずつ見ていきましょう。

・構っている余裕が無いほど忙しい

あなたを放置する理由として最も考えられうる理由が、この「忙しいから」です。忙しさのあまり、新しく入ってきた人に構っている余裕がなく、仕事を回すことを優先させてしまいます。

・指導する人、面倒を見る人が不明瞭

新しい人が入社するからといって、誰が指導をするか、面倒を見るかなどは、意外と決まっていないものだったりします。なんなら毎月中途社員が入社してくるような会社であれば、「あなたが入社してくる日を覚えていない」なんてことも日常茶飯事です。

・転職者は「一人前であること」が前提のため、指導しづらい

転職してくる人は、前職である程度の実績を積み、その実績が認められて転職に成功したと一般的には考えられています。そのため、転職者は既に「一人前」の存在であり、何も分からない新卒とはまったく異なる存在です。そうなると、教える側の心理としては、「一人前の人に対して講釈を垂れると、めんどくさいやつ認定されるかもしれない…。黙っておこう。」というように、教える側にも抵抗感があるんです。そのため、「余計な口出しはしないでおこう。」と考え、結果的に転職したばかりのあなたに接触してくれる人は少なくなってしまいます。

・「周りの人がなんとかするだろう」と牽制し合っている

転職したばかりの人には誰かしら「身の回りのことを教えるオンボーディング担当者」がついていると、転職先の人たちは一般的に考えています。そのため、「自分が無理に関わらなくても、周りの人たちがサポートしてくれるだろう。」と、みんなが思っています。誰もサポートしてくれる人なんて存在していないのに。そんな感じで、周囲の人たちがお互いに責任をなすりつけ合って、今の「放置」という状況が生まれています。

・優秀なあなたに仕事を取られたくない

先ほども述べたように、転職してきたあなたはすでに「一人前」のビジネスマンです。つまり、「優秀」であることが前提です。では、優秀な人材が自分のチームに入ってきたら、周囲の人たちはどのように思うでしょうか。

「素晴らしい人材だ!彼・彼女に仕事を任せつつ、分からないところはどんどん相談しよう!!」

すべての会社でこのように思ってくれれば、いいんですけどね…。実際はこんな感じです。

「優秀な人材ということは、私のポジションを奪われてしまうかもしれない…!簡単な仕事は任せつつ、本当に重要な仕事は渡さないでおこう。」

このように、「役職を奪われる」「自分が今まで行ってきたことを否定される」ということに不安を感じ、異常にあなたが除け者にされてしまうケースがあります。

・自走することを期待されている

「自走」というのは、「特別大きなサポートをしなくても、自分自身で勝手に仕事を進めていける」という意味です。先ほども述べたように、中途入社は「一人前」として入社しているので、ある程度自分1人で物事を進めていくことを期待されています。

放置されている状況への対処法

放置されている状況への対処法は、「気持ちの面」と「行動の面」の2つに分けて解説していきます。

対処法:気持ちの面

①「そんなもんか」と割り切る

転職後の放置されている状況は「当たり前」と思うように割り切ってしまいましょう。

「オンボーディングをしてくれるだろう」という期待があると、してくれなかった時に期待を裏切られたと感じてしまい、憤りを覚えてしまいます。逆に、最初から「オンボーディングなんてあるわけがない」と考えておけば、少しは気持ちが楽になります。

「そんなもん」と気持ちを割り切って、実際の行動に移していきましょう。

ちなみに上記のように「割り切ってしまえ」と伝えていますが、著者自身は放置された状況にかなり苦しみました。笑

なので、皆さんがご自身の置かれている状況に苦しんでいることは、すごく理解できているつもりです。周りはバリバリ仕事しているのに、自分だけ何も仕事がない状況というのはめちゃくちゃしんどいですよね。

しかし、気持ちの面は「割り切ってしまう」ほか、やりようがないんです。

難しいかもしれませんが、割り切ってしまえば自分の仕事への向き合い方も変わり、周りからの評価も徐々に変わってきます。

ぜひ「割り切る」ということを試みてください。

②どんな会社でも起こりうることと認識する

「放置」という状況は、あなたの会社だけで起こっていることではなく、どんな会社でも起こりうるということを覚えておいてください。

意外とどんな会社でもそんなもんです。大企業でも中小企業でも同じことです。

あなただけが悩んでいることではなく、転職した数多くの人が、この「放置されている」という状況を悩んだ経験があるはずです。しかしきちんとその状況を乗り越えて活躍されています。

なので、あなたも心配することはありません。

この記事に記載していることを実践することで、あなたもきっと「放置されている」状況から抜け出し、活躍できるようになります。

「放置されている」という嫌な気持ちにしっかりと整理をつけて、次項の「対処法:行動の面」に移っていきましょう。

対処法:行動の面

・指導する人、相談する人を明確にしてもらう

放置される理由でも述べましたが、誰があなたに対してアクションを取るべきかが明確になっていない可能性があります。

そのため、「○○さんの指導係は△△さんです」と明言してもらうようにしましょう。

明言してもらうことで、指導をする人は「私がやらなければいけないんだ」と責任感を持ち、積極的にあなたに関わってくれるようになります。

・自分にできることを地道に一つずつこなしていく

転職したばかりの状況というのは、あなたが前職で培ってきた「信用」という貯金がゼロである状況だということを認識しましょう。

つまり、転職した会社でのあなたは、会社の全員から信用されていない状態です。

ここから一つずつ信用を積み重ねていかなければいけません。

そのためには、目の前にある仕事を一つずつ確実に地道にこなしていく必要があります

どんな仕事であれ、与えられた仕事をしっかりとこなしていくことで、あなたへの信用が積み重なっていきます。

転職したばかりの時には、仕事を選ばずに目の前の仕事をしっかりとこなしていくことを意識しましょう。

・自分から積極的に話しかけに行く

放置されている理由の一つとして、あなたのことを知らないため「どんな話題を振ったらいいかわからない」というのがあります。

得体の知れないものに触れたがらないのは、人間の性です。

「知らないから触れたがらない」というのは、逆を言えば「知っていれば触れたがる」ということです。

そのため、自分がどんな人間で、どんなことに興味があって、どんな仕事をしているかなど、自分について知ってもらうよう自ら積極的に話しかけにいきましょう。

※中にはぶっきらぼうに対応する人もいますが、そんな人は気にする必要ありません。おそらくそんな対応をする人は、組織の中でも大したことない人です。仕事をする上で人間関係がいかに大切かを知らない人は、どうせ今後も上に上がっていけない人です。上辺だけ繕っておいて、距離をおきましょう。

すべきではない対処法

すぐに転職してしまうこと

転職先で放置されてしまったからといって、すぐに転職を考えることはやめておきましょう。

理由は、あなたのキャリアに傷がついてしまうから。

採用に携わっていた経験から言えることですが、基本的に採用担当者は「前の会社を1年未満で退職した人」のことをよく思っていません。

というのも、「前の会社をすぐに辞めるということは、採用してもまたすぐに辞めるんじゃないか?」と考えられてしまうからです。

せっかくいろんなコストをかけて採用した人材がすぐに辞めてしまうと、一般的に採用した人の責任として捉えられてしまいます。せっかく頑張って採用したのに、自分のせいにされたくないですよね。

そのため、すぐに会社を辞めてしまう可能性のある人材は、採用しづらいのです。

放置されている状況に嫌気がさしてしまうのもわかりますが、自分のキャリアに傷がついてしまうため、よほどのことがない限り転職してすぐの転職は避けるようにしましょう。

気持ちをわかってもらおうと放置されている状況を周囲の人に伝えること

放置されている状況を周りの人に伝えて、気持ちをわかってもらおうとすることはお勧めしません。

なぜなら、伝えたところでなんの解決にもならず、自分の評価を下げてしまうだけだからです。

評価が下がるというのは、「仕事に文句をいう人」「文句を周囲に撒き散らしてしまう人」「人間性に懸念がある人」というレッテルを貼られてしまうということです。

そんな風にレッテルを貼られてしまうと、もっと仕事が回って来なくなってしまいます。

一人で抱え込み続ける必要はないと思いますが、相談する人は慎重に選ぶようにしましょう。

まとめ

転職したばかりの「放置されてしまう状況」というのは、どんな会社であれ起こりうることです。

また、あなたがどんなに優秀な人材であっても、それは関係なく起こりうることです。

なので、心配することはありません。

地道な仕事を一つずつ丁寧に進め、信用を積み重ねていくことで、必ずあなたが必要とされる場面が生まれてきます。

この記事を読んだあなたが、転職先の職場でいち早くご活躍できるよう、心から応援しています。

Last Updated on 2023年11月4日 by ひらや

著者プロフィール

社会人7年目のサラリーマンです。管理職経験もしばしば。
東証1部上場企業在職。経験職種は人事・営業・マーケ。
延べ1,000人以上に研修をしてきた経験から、「育成」をメインにお話していきます。
私自身が苦労してきた経験をもとに、皆さんの社会人生活が少しでも楽になるような情報をお伝えしていきます。

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