「職場でストレスを感じているけど、これって本当に辞めるべきレベルなの?」
「周りの人も同じ環境なのに、自分だけが悲鳴をあげているなんて、メンタルと体力が弱いから?」
「別の会社と比べたら、自分の職場環境って実はブラック?」
このように感じている人は、割と多いのではないでしょうか。
比べる対象がないため、自分のいる環境がブラックかどうかの判断がつかなくなってしまっているんですよね。
この記事は、自分のいる環境が辞めるべきかどうなのかがわからなくなってしまっている皆さんに向けて、判断基準を明確にしてもらうための記事となっています。
判断基準は、下記3段階に分けて記載しています。
【仕事を本当に辞めるべきか判断するための基準3段階】 ①即座に仕事を辞めるべき状況 ②すぐには仕事を辞める判断をすべきではない状況 ③仕事を辞めずに社内で対処したほうが良い状況
3段階の基準を、皆さんのいる環境と照らし合わせてみてください。
即座に仕事を辞めるべき状況
即座に仕事を辞めるべき状況というのは、「明らかにコンプライアンスを違反している場合」と捉えてもらえれば良いと思います。
「明らかにコンプライアンスを違反している場合」というのは、こんな場合のことを指します。
・身体的な安全が脅かされるような暴力行為や脅迫を受けた場合 ・性的ハラスメントやパワーハラスメントが続いており、自己尊重や安全が守られない場合 ・健康に深刻な影響を及ぼす過度のストレスや過労が続いている場合 ・生活に支障をきたす程の給料で働いている場合 ・不正行為や違法な指示に巻き込まれるリスクがある場合
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
身体的な安全が脅かされるような暴力行為や脅迫を受けた、あるいは目撃した場合
もしあなたが働いている環境が、「暴力」や「脅迫」が起きている環境であれば、即座に会社を辞める判断を下しましょう。「暴力や脅迫が起きている環境は異常である」と認識してください。
コンプライアンスの重要性が叫ばれている昨今にも関わらず、引き続き暴力や脅迫で従業員を支配しようとする会社は、明らかに異常です。
なぜコンプライアンスの重要性が説かれている中、未だに暴力や脅迫により従業員を支配しようとしているのか。それは昭和や平成をサラリーマンとして生き抜いてきた世代が、暴力や脅迫により成長してきたことを美談として語っているからです。
そんな状況は明らかに時代遅れですので、近づかないようにしましょう。
またその対象がたとえあなたでなく周りに起きていたとしても、暴力や脅迫が存在する環境は即座に抜け出してください。
なぜならその暴力や脅迫の対象は、あなたに向けられる可能性を秘めているから。
矛先が自分に向けられてしまう前に、いち早く抜け出すことを考えましょう。
セクハラやパワハラが続いており、自己尊重や安全が守られない場合
セクハラやパワハラなどのハラスメント系の事象が起きている会社からは、なるべく早く会社を辞める判断を下すようにしましょう。
程度によっては我慢できる場合もあるかとは思いますが、ハラスメントが起きている会社の状況は普通ではないと認識してください。
普通ではないというのは、「ハラスメントがバレるリスクが低く、目の前の欲求を満たすためのメリットのほうが大きいと考えられる状況にあるから」です。
ハラスメントがバレてしまった時は、一般的に加害者は社会的に抹殺されてしまうことが考えられますよね。普通の人であれば、今まで積み重ねてきた社会的立場を失うようなリスクは取りたくないものです。しかしそのリスクを負ってでもハラスメントを起こす状況というのは、バレるリスクが極端に低いと加害者側が認知しているということになります。
つまり、会社としてのガバナンスがゆるゆるで、加害者側がやりたい放題という状況になっています。そんな状況の中、「会社がどうにかしてくれる」と期待するのは、思慮が浅いと言わざるを得ません。
ハラスメントが起きている状況は、加害者だけが悪いのではなく、それを許容させてしまっている会社も悪いということを理解しておきましょう。
そんな会社に我慢して残るよりも、さっさと辞めてしまって新たな環境に身を置くことを考えましょう。
健康に深刻な影響を及ぼす過度のストレスや過労が続いている場合
仕事の影響により、自身の生活に影響が及び始めたら赤信号です。
自身の生活に影響が出始めている状況というのは、こんな感じ。
【自身の生活に影響が出始めている状況】 ▪︎身体的な健康への影響 ▪︎心理的な健康への影響 ▪︎社交的な影響 ▪︎働き手としてのパフォーマンスへの影響
一つずつ詳しく解説していきます。
▪︎身体的な健康への影響
仕事の過度なストレスや過労により自分の身体のどこかに異常を感じ始めたら、それは即座に仕事を辞める判断をすべきです。
身体的な健康への影響というものは、主に「健康障害」と「睡眠障害」に分けられます。
a.健康障害
過度なストレスや過労は、高血圧、心臓病、消化器系の問題、免疫機能の低下、疲労、頭痛など、さまざまな身体的な健康障害を引き起こす可能性があります。
b.睡眠障害
ストレスや長時間労働は睡眠の質を低下させ、不眠症や寝不足を引き起こすことがあります。
▪︎心理的な健康への影響
a.不安とうつ病
過度なストレスや過労は、不安やうつ病の発症リスクを高めることがあります。
b.適応障害
長期間にわたる過度なストレスは、適応障害(適応障害性障害)を引き起こす可能性があります。これは日常生活における機能の低下を伴う状態です。
▪︎社交的な影響
a.家庭との関係への悪影響
過労やストレスが家庭生活に及ぼす影響は大きいです。仕事に費やす時間が増え、家族とのコミュニケーションが減少することがあります。
b.友人や社会的な関係への影響
過度なストレスは社交的な活動や友人との付き合いを疎遠にさせることがあります。
▪︎働き手としてのパフォーマンスへの影響
a.ミスやエラーの増加
過労や過度のストレスは、仕事でのミスやエラーが増加する可能性があります。
b.生産性の低下
ストレスや疲労が生産性の低下をもたらすことがあります。
生活に支障をきたす程の給料で働いている場合
自身が生活していくにあたり、どこかに借金をしないと生活していけないような環境にいる場合は、すぐに今の職場から離れる判断を下しましょう。
生活水準が高いというのなら話は別ですが、普段の生活ですらお金を切り詰めている場合は、もっと給与水準の高い仕事に転職をすることを考えるべきです。
不正行為や違法な指示に巻き込まれるリスクがある場合
コンプライアンス違反を平気で犯したり、誰かに指示をしている会社であれば、すぐさまその会社を辞める判断を下しましょう。
そんな会社に留まり続けるメリットは一つもなく、大きなデメリットしか存在しません。
もし会社が不正行為や違法行為で摘発されてしまった場合、所属している人も非難の対象となり転職することもままならなくなってしまいます。
あなた自身にも大きなデメリットが降りかかってくるということです。
置かれている状況にもよるとはおもいますが、すぐに辞める判断を取ることをお勧めします。
すぐには仕事を辞める判断をすべきではない状況
「仕事を辞めたい!」と思っていても、状況によってはすぐに辞めるべきではない場合もありますよね。
しかしどんな状況が「すぐに辞めるべきではない状況なのか」がわからないと思います。
以下では、「すぐに仕事を辞める判断をすべきではない状況」について記載しているので、参考にしてみてください。
一時的なストレスや職場の問題が起こっているが、改善の見込みがある場合
仕事で上司から理不尽な怒られ方をした場合など、仕事をしていると一時的にストレスが溜まることがありますよね。また、仕事は季節的な需要の高まりや災害の対処などで、一時的に業務負荷が増加することも考えられます。そんな状況下では、なかなかしんどい思いをすることも多いかと思います。
しかし一時的な感情に任せて、すぐに仕事を辞めてしまうことはお勧めしません。
上記に挙げたような一時的な問題は、時間経過とともに解決する可能性が大いにあり得ます。
理不尽に怒られた時、ストレスのピークに達していると思いますが一度堪えてみてください。時間経過とともに、ストレスも軽減されていくはずです。
また季節的な需要の高まりは、繁忙期を超えてしまえば元の忙しすぎない状況に戻ります。
一時的に起きている問題に対して「仕事を辞める」という選択を取ると、後々「あの時期以外は良かったから、辞めなければよかった…。」と後悔してしまう可能性があります。
そのため、今起こっているストレスは一時的なものなのか、それとも慢性的なものなのかを一度自分で考えてみてください。その結果、一時的な問題に過ぎないのであれば、(苦しいとは思いますが)我慢してみることをお勧めします。
もし時間経過とともに問題が解決しないのであれば、それは慢性的に起こっている問題である可能性があります。慢性的な問題であり、解決することが難しいと判断できれば、仕事を辞めることを検討してみても良いかもしれません。
退職することで家庭や個人の事情が悪化する可能性がある場合
自分が会社を辞めることで周りの大切な人(家族や恋人など)に迷惑がかかってしまう可能性があれば、今一度じっくりと考えることをお勧めします。
状況が悪化する事例としては、下記のようなことが挙げられます。
1.収入の減少
退職すると、通常は収入が減少します。これにより、生活費や家族の支払いに対する圧力が増す可能性があります。
2. 健康保険の喪失
一部の国では、退職後に健康保険が提供されなくなることがあります。これにより、医療費が高騰し、健康に関する問題が悪化する可能性があります。
3. 社会的孤立
仕事を辞めたことで社交的な繋がりが減少し、孤立感を感じることがあります。これは精神的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
4. 貯蓄の減少
退職後に貯金を使用せざるを得なくなることがあり、将来の経済的安定性が損なわれる可能性があります。
5. スキルの陳腐化
長期の休暇後、再就職が難しい場合があります。スキルが陳腐化し、新しい職場で競争力を維持するのが難しくなることがあります。
上司や人事部とのコミュニケーションによって解決の余地がある場合
自身の抱えているストレスが、上司や人事部との相談により、解決するケースというものがいくつかあります。
そのケースというのがこちらです。
1.仕事の負荷の調整
仕事の負荷が過剰でストレスを感じる場合、上司や人事部に相談し、業務の再配分やタスクの調整を提案できます。効果的なコミュニケーションにより、業務負担を軽減できる可能性があります。
2. 昇進や昇給の要望
キャリアの成長や給与の向上を望む場合、上司や人事部に自身の実績や目標について積極的に話すことで、昇進や昇給の機会を得る可能性が高まります。
3. ワークライフバランスの改善
仕事とプライベートの調和が難しい場合、上司と話し合い、柔軟な労働条件やリモートワークのオプションを検討することができます。
4. 労働環境の改善
仕事の環境や職場の文化に不満がある場合、上司や人事部にフィードバックを提供し、改善を促すことができます。
5. スキルの研鑽とトレーニング
キャリアのスキルセットを向上させるためにトレーニングや教育を受けたい場合、上司や人事部に提案し、サポートを受けることができます。
仕事を辞めずに社内で対処したほうが良い状況
ストレスから「仕事を辞めたい!」と考えるようになっていたとしても、場合によっては仕事を辞めないほうが良いケースというものもあります。
ここではその「仕事を辞めずに社内で対処したほうが良い状況」について解説していきます。
職場の人間関係がうまくいかないが、上司や同僚とのコミュニケーションで改善の道がある場合
仕事は基本的に一人でするものではないため、人間関係が大事になってくることが多いですよね。一緒に仕事をする人との人間関係は、仕事を前に進めるためにはとても大切な要素になってきます。そんな人間関係がうまくいかなかった場合、退職を考えてしまうことは自然の理かと思います。
しかし、人間関係が原因で退職を考えている人たちは、少し早計かなと思ってもいます。
できるだけ社内で対処した方が良い理由
①解決に要する時間と労力が比較的少なく済む
うまくいかない原因となっている人と直接的な対話で人間関係を何とかすることは難しいと思います。しかし第三者にうまく関わってもらうことで人間関係を容易に解決できるケースは多く存在します。
なぜなら二人の間でヒートアップしている問題は、第三者が間に入ることによって熱が冷め、客観的に問題を見ることができるようになるからです。第三者に間に入ってもらうだけで、思っていたよりも簡単に時間と労力を割くことなく問題が解決することもあります。
そのため上司や同僚に仲裁に入ってもらい、改善の道を探ってみることをお勧めします。
②転職先でも同じような人がいる可能性があるから
人間関係が原因で退職をすると、人間関係をリセットできて、一時的にスッキリできると思います。
しかし忘れてはならないことは、次の会社でも同様の問題に直面する可能性があるということです。どんなホワイト企業に行こうとも、前職にいた嫌な人と同じような人はいるかもしれないのです。
せっかく労力を割いて転職したとしても、同様の人がいたら結局何のために転職したのかわからなくなりますよね。
③自分が原因だった場合、転職先でも同様の問題が起こるから
また、人間関係が悪化した原因は、相手側だけでなく自分にもあるかもしれません。その場合、例え転職したとしても人間関係悪化の原因が自分にあるので、転職先でも同様の問題が起こることが考えられます。これもまた、転職に割いた時間と労力がもったいないですよね。
あまり自分に原因があるとは考えたくありませんが、その場合もあると心に留めておき、転職は慎重に判断しましょう。
仕事内容やキャリアに対する不満があるが、社内の別の部署やプロジェクトへの異動が可能な場合
仕事内容やキャリアに不満がある場合は、転職より前に、別の部署やプロジェクトへの異動ができないかを検討しましょう。
できるだけ社内で対処した方が良い理由
①組織内でのキャリアを発展させる機会であるため
社内異動は、自身のキャリアを組織内で発展させる絶好の機会です。異なる部署やプロジェクトで新たな経験を積むことで、スキルや知識を広げ、キャリアの多様性を持つことが可能です。これは将来の昇進やリーダーシップの役割につながるかもしれません。
②組織の文化や価値観に馴染みやすい
既存の組織内での異動は、組織の文化や価値観にすでに馴染んでいることが多いです。外部の新しい組織に移るよりも、既知の環境での作業は心理的に安定感を提供し、適応期間が短縮される可能性があります。
③ネットワークとの連携強化
異動により、新しい同僚や上司との関係を構築する機会が得られます。この新たなネットワークは、今後のキャリアやプロジェクトにおいて協力やサポートの力になります。同時に、既存のネットワークも維持できます。
④転職に伴うリスク回避
新たな組織に転職する際には、不確実性やリスクが伴います。組織の文化や仕事環境が合わない場合、転職が失敗に終わることもあります。社内での異動は、これらのリスクを最小限に抑える方法となります。
⑤新しいチャレンジの発見
異動により、新たなチャレンジや興味深いプロジェクトに参加する機会が得られます。これはモチベーションを高め、仕事に対する情熱を再燃させることができます。
結論として、社内での異動は、仕事に対する不満やキャリアの向上を追求するために非常に魅力的な選択肢です。組織内でのキャリアパスを探求し、組織のリソースやサポートを活用することで、自身の成長とキャリアの成功に向けた道を切り開くことができます。
企業の方針や組織の方向性に不満があるが、組織内での声を上げることができる場合
会社で働いていると、「会社の方向性が自分の価値観や目標に合わなくなった」というように、会社や組織が進んでいく方向性と、自分が目指していくキャリアにギャップが生じることがあります。
そんな時は、転職を考えるより先に、組織内で声を上げることを検討してみましょう。
組織内で声を上げ、問題解決に積極的に参加することは、組織全体の発展や自身のキャリアの成長に寄与する可能性が高いです。社内で対処できる場合、この方法を積極的に検討することが賢明です。
できるだけ社内で対処した方が良い理由
社内での影響力の拡大
組織内で積極的に声を上げることは、従業員としての影響力を高める手段となります。上司や同僚、部下との協力や議論を通じて、自身の意見が尊重され、組織の意思決定に影響を与えることができます。
転職リスクの回避
他の仕事を探す場合に比べて、組織内での声を上げることは、転職リスクを回避する方法として利用できます。新たな仕事を探す際には、適応期間や新しい組織に対する不確実性が伴うことがありますが、組織内で問題を解決し改善を促進することで、現在の職場での状況を改善する機会が提供されます。
仕事を辞めるべきかどうかの判断基準まとめ
改めて、仕事を辞めるべき判断基準は大きく分けて下記の3段階です。
【仕事を本当に辞めるべきか判断するための基準3段階】 ①即座に仕事を辞めるべき状況 ②すぐには仕事を辞める判断をすべきではないが将来的に辞めることを視野に入れておくべき状況 ③仕事を辞めずに社内で対処したほうが良い状況
この判断基準をベースに、皆さんの置かれている状況を今一度考えてみてください。
この記事を読んだみなさんが、状況に応じて適切な判断を下せるようになることを、心から願っています。
Last Updated on 2023年10月14日 by ひらや
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