みなさんの周りには、「この人会議の進行(ファシリテーション)が上手いな〜」と思う人がいませんか?
その人を見て自分自身が「会議の進行が得意じゃない」と考えている人もいるかもしれません。
でも安心してください。
会議の進行(ファシリテーション)が上手い人と下手な人の差は、単なる「知識」の差なんです。
もちろん習熟度によっても上手さが変わってきますが、一番大きな差は「知識の差」です。
なので、上手い進行方法を知っている人は会議の進行が上手くなりますし、
逆に知らない人は会議の進行が下手になります。
なぜそんなことをはっきり言えるのかというと、
昔の私が会議の進行(ファシリテーション)が苦手であり、現在では後輩にも相談されるほど得意になっているからです。
昔と今で違うことといえば、
「会議の進行方法」についての知識を得たこと。
知識を得る前と得た後では、まるで会議の質が違います。
ですから、現在会議の進行が苦手な人も安心してくださいね。
知識を得るだけでも、格段にあなたの会議の進め方は良くなります。
この記事では、会議の進行が上手い人にはどのような特徴があり、逆に進行が下手な人にはどのような特徴があるかを解説していきます。
この記事を読了する頃には、
「会議を上手く進めるためにはどのようなことをする必要があるか」
がわかっているはずです。
1.会議の進行(ファシリテーション)が上手い人の特徴
では、会議の進行が上手い人には、どのような特徴があるのでしょうか。
会議の進行が上手い人たちには、大きく分けると2つの特徴があります。
①会議の事前準備をしている ②ファシリテーションのやり方を知っていて実践している
一つずつ順に見ていきましょう。
①会議の事前準備をしている
会議の進行が上手い人は、当然のことながら事前準備をしっかりと行なっています。
そして会議の進行が上手い人は、前提の心構えとして「会議は参加者の貴重な時間を奪っている」と考えています。
だからこそ、参加者の時間を無駄にしないように事前準備に余念がありません。
逆に、会議の進行が下手な人は、この事前準備を疎かにしている人が多いです。
事前準備をしていない人は、「会議は参加者の貴重な時間を奪っている」ことを認識できていないことが多いんですよね。
しかし事前準備と言われても、具体的に何を準備しているのかがわからないですよね。
会議の進行が上手い人は、下記のようなことを事前に準備しています。
・会議のゴール設定
・話す議題をあらかじめ設定しておく(アジェンダの設定)
・各議題の時間配分設定
こちらも一つ一つ解説していきます。
a.会議のゴール設定
会議の進行が上手い人は、会議のゴールを必ずと言っていいほど設定しています。
会議のゴールとは、
「その会議でどこまで進めば終了とするのかの線引き」のことです。
ゴールを設定する理由は一つ。
会議の向かうべき方向性を定めておくため
です。
上図のように、会議のゴールさえ設定しておけば、
どんなに話が横道に逸れようとも最終的にはゴールに辿り着けるのです。
ちなみに、話が脱線してしまう人の特徴と対処法について記事を書いているので、興味がある方はそちらも読んでみてください。
自転車で目的地に向かう場合を想像してみてください。
どんなルートを通ろうが、途中コンビニに寄り道をしようが、
向かうべき先が明確であれば、目的地に辿り着けますよね。
会議も同じなんです。
では、会議のゴールを設定していない場合はどうなるのでしょうか。
上図をご覧のように、
進むべき会議のゴールが設定されていない、もしくは会議のゴールが不明瞭な場合は、会議をどこに向けて進めればいいかがわからなくなってしまいます。
目的地がないまま自転車で走り出しても、どこに向かって走ればいいかわからずに迷走しますよね。
聞いてみれば当たり前のことだと思う人も多いのではないでしょうか。
ですが、会議のゴールを設定しないまま会議を始める人は、驚くほど多いんです。
この記事を読んだみなさんは、
会議に臨む前には、必ずその会議のゴール設定をしておきましょう。
b.話す議題をあらかじめ設定しておく(アジェンダの設定)
会議の進行が上手い人は、
「会議で話す議題をあらかじめ設定しておく」
ということを実践しています。
会議の議題は、「アジェンダ」とも呼ばれたりしますね。
では、会議で話す議題はどのように設定しているのでしょうか。
会議の進行が上手い人は、
ゴールに向かう上で障害となる要素を逆算し、それを議題として設定しています。
具体例を挙げるとこんな感じです。
「研修の進め方が明確になっている状態」を会議のゴールと置いたときに、ゴールを阻む要素を考えます。
つまり、
「進め方を明確にするために、明らかになっていなければならないこと」
を考えます。
その明らかにすべき内容が、
「カリキュラムの設計」「運営メンバーの役割分担」「参加者へのアナウンス」です。
※厳密にいうと研修はもっといろんな要素が必要にはなりますが、便宜上3つに絞っておきます。
皆さんも自分の仕事に当てはめて考えてみてくださいね。
このように議題を設定しておくことには、2つのメリットがあります。
【議題を設定するメリット】
- 議題の具体性が高いため、参加者が話をしやすい
- 議題(アジェンダ)をチェックポイントとして置いておくことで、話が脱線しづらくなる
1.議題の具体性が高いため、参加者が話をしやすい
議題の内容が抽象度の高いものだと、会議の参加者もどこから話せば良いかわからずに、黙ってしまう可能性があります。
そのため、話し合う議題については、ある程度の具体性が必要になってきます。
2.議題(アジェンダ)をチェックポイントとして置いておくことで、話が脱線しづらくなる
会議でよくありがちなのが、話が脱線してしまい、その脱線した話で時間を浪費してしまうこと。
この問題が、議題をチェックポイントのように置いておくことで、解決できます。
話が脱線しそうになっても、議題に沿って話を進めることで本題に戻って話をすることができます。
会議の進行(ファシリテーション)が上手い人は、
「会議で話す議題をあらかじめ設定している」ことで、話がぶれたりすることなく一貫した会議を進められます。
この記事を読んだみなさんも、ぜひ実践してみてください。
驚くほど自分の思った通りに会議を進めることができるようになりますよ。
c.各議題の時間配分設定
会議の進行(ファシリテーション)が上手い人は、一つ一つの議題について、どのくらいの時間を割いて話し合うのかを事前に決めています。
議題一つ一つに時間設定があることで、
会議の参加者がその時間中に議題を解決しようと真剣に取り組んでくれるからです。
逆に時間設定が無い場合、話が脱線したり途中でだらけてしまったりと、
まるで締まりの無い議論になってしまうリスクがあります。
「この議題は20分間で考えましょう!」というように、時間を区切って参加者に伝えるようにしましょう。
そうすれば、締まりのある会議進行ができるはずです。
②ファシリテーションのやり方を知っていて実践している
会議の進行が上手い人は、ファシリテーションの技術を知っており、かつ実践しています。
ファシリテーションとは、「グループによる活動が円滑に行われるように支援すること」です。
ファシリテーション能力が高い人、低い人はもちろんいますが、その差はやり方を知っているかどうかだけ。
習熟度の違いはもちろん出てきますが、
苦手な方もやり方を知って訓練を積めば、間違いなくできるようになります。
ファシリテーションで大切なのは、主に以下の通りです。
- 意見を肯定すること
- 会議の中でゴールを見失わずに、正しい方向に導くこと
- 結論をまとめること
それぞれ見ていきましょう。
a.意見を肯定すること
良いファシリテーターは、参加者から出た発言の良い点をピックアップして肯定していきます。
それは、参加者が発言しやすくなる雰囲気を醸成するためです。
「なるほど!」「確かに!」「いい意見ですねー!」など、
参加者の発言を肯定してあげることで、参加者は自然と話しやすい雰囲気になっていきます。
そうなると、こちらから促さなくても自発的に意見を出し合ってもらえるようになるため、非常に会議が円滑に進むようになります。
b.会議の中でゴールを見失わずに、正しい方向に導くこと
会議の進行が上手い人は、どれほど話が脱線しようが、会議のゴールを見失うことはありません。
常にゴールを見据えているため、脱線しかけた話を上手く本筋に戻すことができます。
こんな具合に。
会議のゴール:運営メンバーの選定を終えている状態
Aさん「○○さんは運営メンバーとして適任じゃない?」
Bさん「適任かもね。あーでも○○さんは運営メンバーの△△くんと仲悪いからなー。」
Aさん「何であそこ仲悪いんですかね。同期で距離も近いはずなのに。」
Bさん「なんか同じ部門だったときに衝突したらしいよ。」
Aさん「へー。どんなことで衝突したんですか?」
ファシリテーター「衝突した原因はめちゃくちゃ気になりますけど、とりあえずは運営メンバーとして相応しいかを考えましょう!△△くんとの仲の悪さは、運営に影響を及ぼすほどですか?」
Aさん「いや、割り切って仕事すると思うよ。この前もそうだったし。」
ファシリテーター「では、○○さんも候補に入れておきましょう。他の人はどうですか?」
話が「○○さんと△△くんとの衝突の原因」に脱線しそうだったところを、ファシリテーターが上手いこと本筋の「運営メンバーの選定」に戻していますよね。
みなさんの周りにも話を脱線させてしまう人が多くいると思います。
それはなぜかと言うと、
参加者はファシリテーターと違って、その会議のゴールを見据えて参加をしていないから。
そのため、ファシリテーターが会議の進行をコントロールする必要があります。
話が脱線しそうな時には、頭の中で今一度ゴールを確認し、どのようにしたら話を本筋に戻せるかを考えるようにしましょう。
最初は上手くいかないかもしれませんが、経験を積めば積むほど上手くなっていきます。
c.結論をまとめること
ファシリテーターは、必ず会議の最後に結論をまとめる必要があります。
なぜなら参加者の中で認識に齟齬があると、ネクストアクションがうまく進まなくなる可能性もあるから。
ファシリテーターがまとめた結論を参加者に提示することで、自分と参加者の間に認識の齟齬がないことを確認できます。
「最終的にこういう結論に落ち着いた」と参加者同士でコンセンサスが取れていることが、ネクストアクションを起こす上で非常に大切なこととなります。
2.まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んだことで、
会議の進行が上手い人はどのようなことを実践しているのかが明確になったのではないでしょうか。
冒頭にも述べたとおり、会議の進行が上手い人と下手な人の差は、「知識の差」です。
この記事を読んだみなさんは、これで「知識」を得たことになります。
あとは実践あるのみです。
知識を身につけたみなさんが、「あの人会議の進行が上手いよね」と言われるようになることを、心から応援しています。
Last Updated on 2023年10月14日 by ひらや
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