業務の振り返りやチーム改善を図るうえで、フレームワークを活用することは非常に効果的です。なかでも「KPT」はシンプルながら実践的で、現場での活用例も多く見られます。この記事では、「KPT」「フレームワーク」というキーワードを軸に、業務改善に役立つ具体的な手順とポイントをわかりやすく解説していきます。
KPTとは何か?基本の考え方を理解しよう
KPTとは、Keep(続けること)、Problem(問題点)、Try(次に試すこと)の頭文字を取った振り返りのフレームワークです。業務やプロジェクトの振り返りを行う際に、何を維持すべきか、何が課題だったのか、次回以降どう改善するかを明確にできます。
この手法は個人の業務だけでなく、チーム全体の振り返りにも有効で、プロジェクトマネジメントや定例会議などでよく使われています。
KPTフレームワークを活用するメリットとは
KPTの最大のメリットは、問題の洗い出しだけでなく「良かったこと」や「今後やるべきこと」にもフォーカスできる点です。以下のような利点があります。
- ネガティブになりすぎない
- チーム全体の視点が揃う
- 振り返りが具体的でアクションに繋がる
こうした特性から、KPTは定期的な業務レビューに最適なフレームワークといえるでしょう。
実践的なKPTフレームワークの手順
KPTを効果的に活用するためには、以下のステップで進めるのが一般的です。
ステップ1 Keep(続けること)の洗い出し
まずは、今回うまくいったこと、継続すべきことをリストアップします。ポジティブな点に目を向けることで、モチベーションも維持しやすくなります。
例:
・ミーティング前の事前共有がスムーズだった
・朝の進捗確認で作業が効率化した
ステップ2 Problem(問題点)の抽出
次に、今回の業務やプロジェクトで課題となった部分を書き出します。遠慮せずに正直に記録することが重要です。
例:
・依頼内容の齟齬が多く、二度手間が発生した
・メンバー間の情報共有が不十分だった
ステップ3 Try(次に試すこと)の検討
最後に、次回以降に改善・挑戦したいことを考えます。Problemの改善策だけでなく、新たな試みも含めて自由にアイデアを出しましょう。
例:
・タスク依頼時にテンプレートを活用する
・週1回の情報共有ミーティングを設ける
KPTをチームで行うときのポイント
KPTは一人でも実施可能ですが、チームで行うと相乗効果が生まれます。以下のポイントに気をつけることで、より効果的な振り返りが可能になります。
- 事前に記入フォーマットを共有する
- 発言しやすい雰囲気を作る(批判しない)
- KPTの結果を必ず次回アクションに落とし込む
特に「Try」の実行状況を次回のKPTで再確認することで、振り返りのサイクルが機能しやすくなります。
KPT以外のおすすめフレームワークと使い分け
KPTは汎用性が高いですが、目的によっては他のフレームワークと併用するのも効果的です。以下のようなフレームワークと組み合わせることで、より深い分析ができます。
- PDCA(Plan・Do・Check・Act):改善活動を循環的に行いたい場合に最適
- 5W1H:問題の背景を深掘りしたい場合に有効
- フィッシュボーン図:問題の原因を構造的に分析したいときに活用
必要に応じてこれらを併用することで、より多角的な振り返りが可能になります。
KPTを習慣化するためのコツ
KPTを一度行っただけで終わらせず、継続的に実施していくための工夫も重要です。以下のポイントを意識しましょう。
- 振り返りの時間を毎週または毎月のスケジュールに組み込む
- フォーマットを用意し、入力の手間を減らす
- Try項目をタスク管理ツールに登録して実行を促す
振り返りが「形だけ」にならないように、実行にまでつなげる仕組みづくりが成功のカギとなります。
まとめ KPTは誰でもすぐに実践できる最強のフレームワーク
KPTは非常にシンプルながら、業務改善・振り返り・チームビルディングに効果的なフレームワークです。Keep・Problem・Tryの3つを意識することで、過去の振り返りが前向きなアクションへとつながります。
これまで振り返りがうまくいかなかった方も、まずは1回KPTを実践してみてください。続けていくうちに、チームや自身の成長が実感できるはずです。
Last Updated on 2025年5月25日 by ひらや